28
全く面倒な話であるが、故に、郊外なら「始発電車のある駅」が必須の要件となる。大阪府内の北摂地域でこの要件を満たすのは、JRの高槻、阪急の高槻市・北千里、それに北大阪急行の千里中央のみである 抗氧化食物 。これに「駅から徒歩圏内」という条件を加えれば、間取りを狭くしたところで賃料予算内の物件など見つかる訳もなく、必然的に兵庫県まで検索範囲を広げることになる。「須磨浦公園までは摂津国」と自身に言い聞かせつつ血眼で探し、やっと見つけた好物件は、山陽電鉄の板宿から徒歩3分の場所であった。板宿には始発電車はないが、新開地まで辛抱すれば、阪急・阪神の始発が待っている。帰りも阪神梅田から乗車すれば、姫路行きの直通特急で50分弱、乗り換えなしで帰宅が可能だ。これにしようと決め、不動産屋にアポを取ろうとしたのだが、ここで夫婦揃ってはたと、また一つ、重要なことに思いを致す。二人とも「朝が弱い」のだ。特に、低血圧の重篤患者である家人が今より1時間近くも早起きせねばならぬなどあってはならぬことで、「これはあかんわ」ということで、居住地選びは白紙に戻る。
 
北摂会会長としては断腸の思いであったが、「大和川までは決して越えまい」という妥協の下、苦渋の決断で淀川を渡る。不動産屋に駆け込み、弁天町、森ノ宮、緑橋、文の里、出戸、長原、西田辺、長居等々、あれこれ候補を出してもらっては、ああでもないこうでもないと踏ん切りがつかない。そうしている中で行き着いたのが、大阪港なのであった護士。地下鉄は始発の次の駅だから何とか着席通勤はできるだろうし、私の勤務先である本町までは5駅で、今と変わらない。家人の勤務先は梅田であるから、本町での乗り換えに少々不服を唱えたが、四つ橋線なら比較的空いているだろうよと宥めて、漸く新居の決定に至ったのである。